東北の山旅

東北の山には26座登っており

そのうちの24座は3月から5月にかけての残雪期 テレマークスキーを履いてのスキー登山になる。

東北の山も雪線が低く、なだらかな姿の山々がスキーに誘ってくれる。

1日で登って滑るというOne  day  ascent  が多い。              (2022年7月現在)


〇三内丸山遺跡〇八甲田山雪中行軍遭難資料館〇中尊寺金色堂〇立石寺〇松島〇青葉城 

●青森魚菜センターのっけ丼●秋田きりたんぽ●稲庭うどん●盛岡東家わんこそば●山形そば街道板そば●仙台の牛タン●喜多方ラーメン●大間マグロ

〇浅虫温泉〇八甲田温泉〇酸ヶ湯温泉〇嶽温泉〇温湯温泉〇打当温泉〇後生掛温泉〇乳頭温泉〇銀山温泉〇秋保温泉〇鳴子温泉〇横向温泉〇網張温泉〇八幡平温泉郷〇栗駒温泉〇湯ノ台温泉〇志津温泉〇深沢温泉〇蔵王温泉〇土湯温泉〇高湯温泉〇赤湯温泉〇遠刈田温泉〇東山温泉〇白布温泉〇檜枝岐温泉



八甲田(大岳1584M)                             2012.4.20 2020.4.19

2020.4.19/2012.4.20
2020.4.19/2012.4.20

 八甲田は八甲田山というピークがあるわけではなく、大岳を頭とするいくつかの山々の総称である。このなだらかで広い山域はまったくのスキー天国。ロープウェイが活用でき、下山後の温泉も楽しみである。この山々を自由に駆けめぐるには、車が2台欲しい。

 酸ヶ湯温泉から谷地温泉の間は冬期通行止めの他、夜間通行止めの道路もあるので調べておきたい。また、ロープウェイは20m/s以上の風が吹くと運行中止になる。

仙人岱ヒュッテ
仙人岱ヒュッテ


銅像ルート・宮様ルート・箒場台ルート(小岳1478m)

ガイドツァーの一行
ガイドツァーの一行

 2012年4月20日に宮様ルートを登って大岳をピークハントし、環状ルートを酸ヶ湯温泉に下ったのが、八甲田との出会い

 2020年3月19日は正午過ぎに5人が合流し、ダイレクトコースを途中まで登ってスキー場へ戻った。夕刻に2人加わり酸ヶ湯温泉に泊まる。20日は悪天候で「八甲田山雪中行軍遭難資料館」の見学と「青森魚菜センター」ののっけ丼を楽しむ。その日からベースをモヤヒルズのケビンに移す。

視界が悪い
視界が悪い
銅像ルート
銅像ルート

21日、相変わらず強風(25m/s以上)のためロープウェイは動かず。30分待った後、ダイレクトコースを登る。山頂駅に着くと中は人で一杯。ロープウェイが動いたのかと思ったが、ガイドツァーの一行だった。強風と視界不良の中、銅像ルートを滑る。地形図で先読みをし、GPSで現在地を確かめながら行く。前岳とのコルを越えると、風裏に入ったのか風当たりも弱まり、視界もいくぶんかましになった。標識もたくさん現れ小休憩の後、一気に銅像茶屋まで滑った。

酸ヶ湯温泉
酸ヶ湯温泉
箒場台ルート
箒場台ルート

22日、初めてロープウェイが動いた。乗客が殺到して100人乗りの箱が一杯で、ピストンするが9時に並んだ我々でさえ3便目になり、後続が入口までつづいていた。天候がよく視界がきけば、こんな楽しいスキーコースはない。宮様ルートから大岳環状ルートを気持ちよく滑って酸ヶ湯温泉へ下る。この温泉裏はスキー場だったが、今はリフトもなく、草木が茂りかけていた。 

 午後に3人帰路につく。毎夜の宴会、仲間がいると楽しい。


23日、酸ヶ湯から環状ルートをたどり、樹林から浅い谷間をつめていく。途中避難小屋には入らず、そのまま地吹雪模様の小岳へ。大岳西側の大斜面は魅力的だが、今日の天気では面白くあるまい。小岳から新雪を滑る。今日一番のハイライトである。どう間違っても車道に出るからルートファインディングにさほど気をつかうこともなく箒場台へ。2台の車があるからこそできるルートどりである。


銅像ルート

 ロープウェイ山頂駅から小さな丘を越えて北側の谷間に滑り込む。高度を下げなければ、そのまま前嶽の南のコルに行くこともできる。コルからは北に向け、標識を拾いながら浅い谷間を滑っていく。この谷では数年前に雪崩事故があったが、そんな危険を憶えない。むしろそれのが怖いのかも。なだらかな斜面をどんどん滑って、雪中行軍遭難記念の銅像がある三叉路に出れば正解。どう滑っても環状道路に出るからコース取りにさほど神経質になることもあるまいと思う。

 フォレストコース、ダイレクトコースはBC気分の味わえるゲレンデだから特筆することもなかろう。

高田大岳を前に小岳を滑る
高田大岳を前に小岳を滑る
大岳環状ルート
大岳環状ルート
宮様ルートへ
宮様ルートへ

宮様ルート・大環状ルート

 山頂駅からは3本のルートがある。中央ルートは駅から南へ滑り込み、途中で城ヶ倉温泉へのルートを分ける。田茂萢岳の東から谷間へ入り、そのまま酸ヶ湯温泉まで下るのが宮様ルートとなる。途中でシールをつけなおし、大岳環状ルートを酸ヶ湯へと滑るのもよく、さらに大岳ヒュッテ、大岳へと登って行くのも楽しめる。まだやってないが、大岳の南斜面は一度滑ってみたいものだ。


箒場岱ルート

 山頂駅から歩き、赤倉岳と井戸岳の間から

箒場岱へと滑るのが通常のコースだが、我々は酸ヶ湯温泉から大岳環状ルートを登った。浅い谷を登りつめ、仙人岱ヒュッテを経て小岳でシールをはずす。そこから緩急交えた斜面を箒場岱へと滑った。

 既存コースにとらわれず、他にも色々とバリエーションが考えられる。八甲田は自由にルートを描ける山だ。北八甲田山岳スキールート図を参考にするとよいだろう。



南八甲田                                       2023.5.2~5.4

南八甲田はその名のとおり八甲田の南に位置する。八甲田に北と付せられないのは、その圧倒的な知名度のせいだろうか。

標高もいくぶん低く、大岳のような存在感のある山もないけどあなどりがたい魅力がある。

そのたおやかな起伏はテレマークで行くのに適し、雪と緑の針葉樹のコントラストが美しい。

横岳・櫛ヶ峯・乗鞍岳を結んで蔦温泉へ下る縦走をやってみたい。

櫛ヶ峯(1516m)・駒ヶ峯(1416m)

2023.5.2
2023.5.2

 南八甲田の盟主は、やはり最高峰の櫛ヶ峯だろう。 まずは最初にここを踏みたい。少ないと言っても十分な積雪。 睡蓮沼脇の路側帯には、もう車が数台停まっていた。

 山はまだ雲の中だが、天気は回復に向かっている。 樹林の中のコースはゆるやかで、先行パーティーのトレースがあるので助かる。雲も濃淡を繰り返しながら、時おり太陽の光を届けてくれる。 その変化、広がる景観に感嘆しながら歩くのは楽しい。  最後に櫛ヶ峯への急登をこなし、山頂へ。 先行の2パーティーが歓声を上げながら滑っていった。 山頂からの無木立の広い斜面、 楽しくないはずがなかろう。我々も山頂を踏んでから後につづく。

 帰りには駒ヶ峯へ寄り道。 さらにニセ駒のほうへ足を伸ばし、 パラダイスと呼ばれる最後のオープンバーンを滑って帰る。

 南八甲田は、歩く滑るのミックスしたテレマーク向きの山塊だと思う。



横岳(1339m)・逆川岳(1183m)                             2023.5.3

2023.5.3
2023.5.3

 南八甲田の北のピークは横岳になる。

雪よけシェルターの出口の旧道に車が停められる。そこから登るが、雪が切れていたので、しばらくはスキーを持っていく。

 薄い雪も次第に厚みを増し、ブナ林から針葉樹林帯へ ほぼ均一な傾斜の尾根をひたすら登る。右手に岩木山が見え、左手には北八甲田の山々 。広々とした斜面が現れると横岳に着くが、三角点のある山頂には標識が見あたらなかった。

 山頂下の斜面は、あまりにも気持ちのよいところだったので、シールをとりひと滑りしてみる。

 登り返して横岳南端へ 。南に昨日登った櫛ヶ峯、駒ヶ峯を見ながら逆川岳へゆるやかな尾根を行く。 逆川岳山頂は尾根の一端のようで、標識がなければ気づかないだろう。 どうして、ここに山名がつけられたのか不思議なくらいだ。

 下山は滑降一本 GPSで現在地確認をしながら滑り、 目標とした地点にビタリと下りた。 雪のつながっている箇所は少ないので、うまくいったと思う。



乗鞍岳(1449m)・猿倉岳(1353m)

 猿倉温泉を起点に猿倉岳と乗鞍岳の周回を試みる。猿倉岳への登りは比較的ゆるやかで登りやすい。ただ、天気晴朗なれど風強し この風がなければ、ずいぶん心おだやかに歩けるのだが。猿倉岳山頂の標識はなく、それと知らない内に過ぎてしまった。

 シールはつけたまま乗鞍岳との鞍部へ滑る。そこから登りとなるが、雪の少ないため樹林がうるさかった。

 乗鞍岳山頂も標識なし。東側は開けていて、遠くに十和田湖が見える。標高の低い山麓はブナの新芽が萌え始めて淡い緑色に、 高い所はまだ薄茶色 。その間、緑と茶との混じり合うグラデーションが初夏の訪れを思わせる。

 乗鞍岳の東、開けて急な斜面を滑る。スキーのシュプールが残っていて、それを追う。当初、予定していたコースではないが、余程よく知った人たちだろうか無駄がない。下山に確信がもてたので、矢櫃萢の畔で安心してゆっくりと昼食をとる。それでも正午には猿倉温泉に着いた。

八甲田を背に
八甲田を背に
矢櫃萢で憩う
矢櫃萢で憩う
2023.5.4
2023.5.4


岩木山(1625m)                              2012.4.21 2020.10.27

2012.4.21/2020.10.27
2012.4.21/2020.10.27

 初めて岩木山を訪れたのは春。営業終了した百沢スキー場からスキーを履いて登った。ゲレンデもその上の広大な雪の斜面も独占滑り放題だと思うと、長い登りも苦痛ではない。それでも標高差は1200m弱、距離は5.5㎞ほどあるから楽ではない。1964年1月大館鳳鳴高校の遭難は有名だし、日本海から直接風の当たるこの独立峰は荒れると恐ろしい山となるだろう。頂上部だけ少しコースをはずして思い切り滑ることができたのは、好天のおかげである。スカイラインが開通して、リフトが使える頃、嶽・長平・弥生などのコースを行ってみたいものだ。

写真は2020年の秋に登ったもの           このときはリフトを使っての登山だから説明はいるまい              
写真は2020年の秋に登ったもの           このときはリフトを使っての登山だから説明はいるまい              


八幡平(源太森 1595m)                                2012.4.17

2012.4.17
2012.4.17

 後生掛温泉に泊り、翌日八幡平の源太森に登った。アスピーテラインは11月から4月下旬まで冬期閉鎖である。蒸ノ湯先の通行止めゲートから雪の台地に入る。ゆるやかな傾斜だが、とにかく長い。帰りの滑りを楽しみに樹林の中を登る。広い雪の原は自由に歩ける。源太森に着いたけど、視界に入る山々はまだ馴染みのないものだった。



八幡平(大黒森1446m・恵比寿森1496m・茶臼山1578m)                  2020.3.24

2020.3.24
2020.3.24

 八甲田山で散会してしてから、再び夫婦だけのみちのく二人旅。軽い所をと思って八幡平にやってきた。ガイドツァーのコースだから、たかが知れているだろうと思っていたのだが、これがなかなか。

 松尾鉱山跡を過ぎ、御在所と呼ばれるところが終点。ここから先のアスピーテラインはGWまでの開通めざして除雪中である。目の前に間歇泉のような水蒸気が吹きあがっているのが異様に思えた。ここは火山なのだ。

 八幡平スキー場跡から大黒森、茶臼岳、前山を経る周回コースをとる。背後の岩手山が南面とは違う猛々しい風貌を見せてくれる。天気は良い。ゲレンデ跡の広い斜面を登る。のんびり行って大黒森へ。山頂標識を探してさまよったが、それは高い場所にはなく、少し戻ったコース脇にあった。

 シールをつけたままコルへと下り、茶臼岳の登りにかかる。違うコースから先行していたツボ足の人に追いつき追い抜く。茶臼岳山荘という名の避難小屋に入り、昼食を兼ねて休憩した後、茶臼岳の山頂を踏む。

 頂上からはそのまま急斜面へと滑り込んだ。雪は適度にやわらかく危険は感じなかった。ここから前山を経ての長い滑降は楽しめた。逆コースのほうが良いかと思いもしたが、滑降距離に十分おつりがくる。途中からスキーのトレースがあったので、ここだけを滑りに来るのがガイドコースなのだろうか。除雪車が働くアスピーテラインを一度だけ横切り、駐車場所へと戻る。(八幡平温泉郷のときわ荘マグマの湯300円、家主不在で瓶に納金) 

麓に水蒸気が上がる
麓に水蒸気が上がる
スキー場跡を登る 背後は岩手山
スキー場跡を登る 背後は岩手山
茶臼岳山荘
茶臼岳山荘


森吉山(1454m)                                    2012.4.18

2012.4.18
2012.4.18

 営業を終了した阿仁スキー場を一人でひたすら登った。ゴンドラが稼働していれば標高差600m弱を20分程で行かれるものを。おまけに天気は良くない。1308mのコブに着いても雪まじりの濃いガス。途中の避難小屋で小憩したあと、頂上をピストンした。1308mのコブまで戻って、初めてシールをとる。長いゲレンデをうっぷん晴らしのように滑る。これと誰一人会わないという静けさが今日の報酬か。天気の良い日に再訪したいものだ。



岩手山(2038m)                                    2012.4.15

2012.4.15
2012.4.15

 岩手山は富士山や大山と同じコニーデ型の火山だ。焼走り国際交流村に車を置き、焼走りコースを登る。第一噴出口跡で同行のOは足の痛みでギブアップ。私は夏道を離れ、頂上東の外輪山の一角を目指し一人登る。シールをきかせて急な山腹にジグを刻む。外輪山に着くと雪が消えていたので、ここにスキーをデポして頂上を往復。雪は見えない所でつながっていて、スキーを置いてきたことを後悔したが間に合わない。

 山頂は360度の展望、東北の山々に無知な私は山座同定ができない。帰路の快適さとスピードは登りの労苦を差し引いて余りある。



大松倉山(1407m)                                   2020.3.25

2020.3.25
2020.3.25

 網張温泉スキー場から山に入るには簡単な登山届を書くだけ。「下山したら、報告くださいね」と言われるのは当然のこと。リフトを3本乗り継いだゲレンデトップは標高1320㍍で、そこから少しゲレンデを滑って山に入る。

 小山を一つ南側から巻いてコルへ。ここでボーダーに追いつかれた。大松倉山へは吹きっさらしの尾根となる。今日も風は強い。晴れているが足元から雪煙が舞う。ボーダーと抜きつ抜かれつして山頂へ。

 風の強い頂は居心地がよくない。シールをはずして早々に滑降に入る。後続のパーティがいくつか登ってきていたので、あまりみっともない滑りは見せたくない。ちょっと気合を入れてひと滑り。瞬く間にコルへと戻った。そのまま南東斜面に入ると古いシュプールが出てきて、標識まで現れた。どうやら古いスキーツァーコースらしい。風の当たりは弱く、降り注ぐ陽光が温かい。スキーを脱いで飲み食いしながら休憩。

 そこから、やや急な斜面を下りて少し進めば、そこはもうゲレンデの端だった。このコースを知っていたなら、大松倉山はもっと近かっただろう。あとは快適にゲレンデを飛ばし、回数券の残りを未練たらしく消化して、軽い半日を終えた。

     (網張温泉ありね山荘400円)

大松倉山が見えたがまだ遠い
大松倉山が見えたがまだ遠い
地吹雪模様の稜線 背後は岩手山
地吹雪模様の稜線 背後は岩手山


秋田駒ヶ岳(男女岳1637m)(横岳1582m)                   2012.4.14 2014.5.1

2012.4.14 2014.5.1
2012.4.14 2014.5.1

 最初に秋田駒に登ったのは田沢湖スキー場からだった。男岳への西尾根は、男女岳への最短距離だと考えたからである。でも、この西尾根はアイゼンとピッケルの世界でスキー向きではなかった。雪原となった阿弥陀池へと滑り込み山頂へ。帰路は、同行したOの計らいで別行動とし、田沢湖高原に滑らせてもらった。

ガイドツァーの一行
ガイドツァーの一行

 次はその高原側から登った。八合目小屋は経由せず、林道の途中から直接頂上を目指した。登り口のスキー場跡は開けていて、登下高を容易なものとしてくれる。ガイドツァーもここをベースとしていようだ。男女岳頂上から阿弥陀池小屋への滑降はあっという間だが快適で、その後も易しいクルージングとなる。人気の理由がわかる。

田沢湖高原のスキー場跡から  山頂は雲の中
田沢湖高原のスキー場跡から  山頂は雲の中
8合目小屋
8合目小屋


栗駒山(1626m)                                    2020.3.26

2020.3.26
2020.3.26

 前回は登山口まで行ったものの、猛吹雪のため車から出ることもできなかった。今日はそのリベンジ。快晴だったが風の強さは並ではなく、吹雪の日に登らなくてよかった。

  シェルターを抜けたところに広い駐車場がある。この先、夏の登山口になるイワカガミ平までは車道が通じているが、今は雪で通行止。適宜、車道をショートカットしながらス

キーをはいて登る。登山者は多いらしく、ツボ足やスキーの跡が多く残っている。

 イワカガミ平には避難小屋があったので、中に入り衣類をただして完全防御してから登る。ここから上は強風のためトレースは消えている。所々に現れるブッシュを避けながらひたすら登る。前方には雪煙を吹き上げる栗駒の頂が見えるが、なかなか近づかない。途中でスキーアイゼンを着ける。カリカリにクラストした尾根を強風に耐えながら登った。こんな日の頂上はタッチだけでいい。シールもアイゼンも外さないまま200㍍ほど下った西面の風裏でシールをはずす。

  滑降は適度な傾斜で楽しめた。ブッシュはあるものの但馬の薮山から見れば障害ではない。ひと滑りして、風当たりの弱い陽だまりで昼食にする。イワカガミ平から下は雪もゆるみ、テレマーク向き。駐車場脇の車止めまで滑って終了。 

       (新湯くりこま荘400円)



船形山(1500m)                                    2020.3.16

2020.3.16
2020.3.16
升沢小屋
升沢小屋

 船形山の標高は1500㍍だから氷ノ山と同じである。ただし登高距離が7㌔㍍ほどあって長いのと、冬場に登頂するには天気に恵まれなければ難しい。それなのに登山口をまちがえて、1時間以上のロス。遅い登り始めになってしまった。

 旗坂野営場から升沢コースへと出発。林道をほんのわずか行った所に登山口がある。標識は30番から始まり、頂上が1番で終わる。昨日の雪で半ば埋もれた階段道をスキーで登る。旗坂平あたりからは雪も厚くなってきたので、帰りにここらまでは滑って下りられるだろうと思う。その先で、長靴で登って来た単独の女性に追いつかれ、先を譲る。三光の宮を過ぎた先でこの女性に追いついたが、道を失ったのかリングワンデリングをしたようなトレースがあった。この後、姿を見なかっ

たのでここから引き返したのだろう。迷いやすい場所には違いない。

 升沢小屋で正午前だった。昼食をとって、完全に着込んで頂上への最後の登りに備える。コースは夏道の沢を離れて右手の尾根にとる。上部でオープンバーンがあったが、雪崩を警戒して、左手の樹林を絡むように登る。急登を終えると平らになり夏道と合流。ここから頂上までの尾根がやたら長く感じた。ようやくたどりついた山頂は20m/s超の烈風で、立っているのも苦痛だった。脇にある避難小屋にも入らず、早々に山頂を辞す。風当たりの弱い所に戻って、シールを外して滑る。夏道の沢に入ると膝下のパウダー。これが今日の最高の時間だった。トレースは消え果てていたので、迷わぬよう注意して滑り、帰った。(鳴子温泉200円)



泉ヶ岳(1175m)                                    2020.3.28

2020.3.28
2020.3.28

 泉ヶ岳のスプリングバレースキー場がまだ滑降可能とのこと。行ってみると南面の泉ヶ岳スキー場に雪はなく枯草の斜面になっている。そこから2㎞も離れていないスキー場がやっているのだろうかと不安になる。 

 滑られるバーンは1枚のみ、それでもリフトが動いている。ゲレンデトップから浅い谷間をゆるやかに登っていき峠様の尾根に。ここで北泉ヶへ行くか泉ヶ岳へ行くか迷う。

 標高は北の方が高いが、やはり仙台市民の山である泉ヶ岳に敬意を表しておこうと南東への尾根をとる。途中で出会った人は、「スキーだったら北泉ヶ岳のほうが楽しめる」と我々の気をくじかせたが、めげずに頂上へ。頂上には雪のない南側から登ってきた数人の登山者がいた。スキーデポまで引き返し、灌木の合間の細い雪道を横滑りとボーゲンでこなす。峠からは一転し、気持ちよく滑って、そのまま一気にゲレンデを駆け抜けた。

雪が切れるのでスキーを置く 後方は船形山
雪が切れるのでスキーを置く 後方は船形山

 

(秋保温泉共同浴場300円)



蕃山(356m)                                      2020.3.29

2020.3.29
2020.3.29

 

 太平洋フェリーの出港までの午前中に仙台の裏山、蕃山を散歩することにした。

 山岸登山コースの駐車場に車を置いて出発。梅の花を見ながら霜柱を踏む感触が懐かしい。低山とはいえ、なかなかの急坂を登らされる。無線中継施設が建つ頂は西風蕃山。西風は「ならい」と読むらしい。東風を「こち」と言うようなものだろうが、「ならい」は東北風にルビされることもあるので両方あるのだろうか

 ここから南に下って、小さなコルから蕃山に登り返す。標高は356㍍で西風蕃山よりやや低い。山頂に開山堂が建ち、仙台市街の展望がよい。この山頂に葬られた雲居禅師は伊達政宗に乞われて松島瑞巌寺の開山を行った

と伝えられている。雪と雲海、低山ならざる展望と雰囲気を楽しみながら、朝食をとる。 

 下山は栗生の住宅地へととり、歩道を歩いて駐車場へと戻った。

昨夜は雪だったようだ
昨夜は雪だったようだ


蔵王(地蔵岳1736m)(熊野岳1841m)(刈田岳1757m)           2012.2.3~2.6 2020.3.27

2012.2.3~2.6 2020.3.27
2012.2.3~2.6 2020.3.27

2012年

 4人の女性をガイドして蔵王スキー場から地蔵岳、熊野岳(蔵王最高峰)を経て刈田岳へ。そこから坊平樹氷原の見事な樹氷を抜けてライザワールドスキー場へと滑った。スキーと冬山、そして温泉を満喫する楽しい山旅だった。

2020年

 上天気つづき。今日こそ雨、すなわち休養と思っていたが曇り空。さすがに、今日も登ろうという気にはなれず、観光と決める。朝の銀山温泉を散歩してから、蔵王温泉まで足を伸ばすとスキー場がなんとか営業していた。

  正午を過ぎていたが、ロープウェイを使って山頂駅へ。そこから30分足らず登って地藏岳の頂上に立った。樹氷コースのモンスターなど期待できる時期ではなかったが、その芯となるアオモリトドマツの立ち枯れがひどい。焼け跡のように枯れた木々の間を滑る気にもなれず、樹氷コースのゲレンデへ戻った。100万人のゲレンデから横倉の壁を滑り、薄くまだらにつながった雪を拾ってロープウェイ山麓駅まで滑ることができた。降り始めた雨で、ここのゲレンデもクローズされるだろう。温泉は共同浴場の上湯200円に入った。



月山(1984m)・姥ヶ岳(1670m)・湯殿山(1500m)             2012.4010 2023.4.30

2012.4.10
2012.4.10

 月山スキー場は4月にならないとオープンしない。それまでは雪が多すぎて営業できないのである。ここのスキー場のリフトが使えれば、あちこちへと足を伸ばすことができるようになる。それにしてもこの山々の雪の量にはいつも圧倒される。アプローチの道路も両壁となって「雪の大谷」のようだ。

 私は2012年に志津温泉へのコース、2014年には湯殿山を経て自然博物園へ下るコースを滑った。志津も博物園もバスの便があり、その時間さえ調べておけば、スキー場へ戻るのは容易である。きわめて労力が少なく、それでいてたっぷりと滑ることのできるのは魅力である。

 月山の山頂あたりはクラストしていることがあり、シュカブラも見られる。雪庇の崩壊と雪面にできるクラックには注意したい。湯殿山の登りでは不気味な割れ目が数多く見られた。日照を受けた雪面はザラメとなり、実に楽しい滑降ができる。

 車が2台確保できるなら、庄内町への山越えなどやってみたいものだ。

拡大しなければスケールが分からない
拡大しなければスケールが分からない


大朝日岳(1870m)                                    2013.5.4

2013.5.4
2013.5.4

 前日は雨で、麓の古寺鉱泉に泊まった。早朝に出て、朝日岳を往復する。標高差1000mほどでなかなかの長丁場である。枝尾根に出てスキーを履き、黙々と歩く。ハナヌキ峰の南コルにはテントが張ってあったが、今日は沈殿の様子だった。

 古寺山を越え、小朝日岳は北西斜面を巻いた。その上あたりからは昨日来まとわりつく雲の中。大朝日小屋も山頂もガスに包まれて展望はよくなかった。小屋には管理人がいたようだが中には入らず、山頂を往復した後、早々に辞す。

 下りはスキーの機動力が遺憾なく発揮された。イリソウカ谷の方へ少し滑り込んだりしながら、春の雪尾根を楽しんだ。

大朝日小屋
大朝日小屋